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プランターほうれん草・小松菜の秋まき——pH調整を知る前と知った後の違い

📚 この記事で分かること

  • ほうれん草と小松菜のpH要求の違いと、なぜほうれん草が難しいか
  • 苦土石灰の投入タイミングと量の目安
  • 9月中旬以降の播種から収穫までの流れ

「最初の秋にほうれん草を播いた。発芽はした。でも本葉が出るころに黄化して、そのまま枯れた。 翌年、土壌pH計を買って測ったらpH5.5だった。 苦土石灰を播種の2週間前に混ぜてpHを6.5に上げてから播いた。 今度は緑のまま育ち、草丈25cmで収穫できた。 同じ土、同じ時期、同じ品種。違ったのはpHだけだった。」

— 増田博之

ほうれん草と小松菜は「秋野菜の基本」と言われるが、育てやすさに差がある。 小松菜はpH5.5〜7.0と許容範囲が広く、酸性土壌でも比較的育つ。 ほうれん草はpH6.0〜7.0が必要で、それを下回ると肥料が吸収できず黄化する。

品質管理の仕事で言う「規格外」の原因を追うとき、まず原材料を疑う。 ほうれん草の失敗も同じで、まず土のpHを測ることが先だ。 「播いてみてから考える」では時期を逃す。

ほうれん草の「pH壁」と小松菜の「pH耐性」

夏野菜を育てた後の培養土は、水やりを繰り返すうちに少しずつ酸性に傾く。 最初に袋から出したときはpH6.5でも、1シーズン後にはpH5.8〜6.0になっていることがある。 この差がほうれん草の発芽後黄化の原因になる。

小松菜は同じ土でも問題なく育つことが多い。 秋の1作目に小松菜を播き、翌年の春に同じプランターでほうれん草を播くという使い分けが プランター2〜3個しかない環境では現実的だ。

  • ほうれん草の適正pH: 6.0〜7.0(酸性に最も弱い葉物野菜のひとつ)
  • 小松菜の適正pH: 5.5〜7.0(幅広く育つ)
  • 夏野菜後の土はpHが下がっている可能性を前提に考える

苦土石灰の入れ方と待ち時間

苦土石灰は播種の2週間前に混ぜる。石灰は土に混ぜてから中和反応が起きるまでに時間がかかるため、 直前に混ぜても効果が出ない。この2週間という間隔を守ることが重要だ。

25Lプランターに対して、苦土石灰は50〜70g(大さじ3〜4杯程度)が目安。 撒いた後によく混ぜ、水をやって馴染ませてから放置する。 播種前にpH計で測り、6.0以上になっていれば播種できる。

デジタルpH計があると数値で確認できるが、なくても「前シーズンの夏野菜後の土には石灰を入れる」 というルールを持っていれば大きく外れない。

  • 苦土石灰の投入量: 25Lに対して50〜70g
  • 播種2週間前に混ぜる(直前に入れても効果なし)
  • その後pH計で確認し、6.0以上になったら播種

9月中旬からの播種と管理

秋まきの播種適期は、気温が20〜25℃前後に落ち着く9月中旬以降だ。 残暑が続く9月上旬に播くと発芽はするが、その後の生育が乱れることがある。 関東標準では9月中旬〜10月中旬が安全な播種期間になる。

ほうれん草は筋播き(1〜2cm間隔)か点播き(3〜4粒を一箇所に)で播く。 発芽後、本葉2〜3枚で株間5〜6cmになるよう間引く。 間引き菜も食べられるので捨てない。

収穫は本葉5〜7枚、草丈20〜25cmが目安。 播種から収穫まで約45〜60日かかる。 小松菜は成長が速く、草丈20〜25cmで30〜40日が目安だ。

  • 播種適期: 9月中旬〜10月中旬(気温20〜25℃前後)
  • 間引き: 本葉2〜3枚で株間5〜6cm
  • ほうれん草収穫: 草丈20〜25cm・約45〜60日
  • 小松菜収穫: 草丈20〜25cm・約30〜40日

追肥と水やり

元肥入りの培養土を使えば最初の追肥は不要だが、本葉2〜3枚の頃から液体肥料を10日に1回程度与えると 生育が安定する。特にほうれん草は葉が黄化しやすいので、早めの追肥開始が安心だ。

水やりは土の表面が乾いたら与える基本は変わらないが、秋は気温が下がるにつれて乾きが遅くなる。 過湿にすると根腐れにつながるため、秋以降は水やりを減らす方向で調整する。 プランターを持って軽い感じがしたら水やりのタイミングだ。

使っている道具と資材

よくある質問

ほうれん草の葉が黄色くなるのはなぜですか?
pH が低すぎる(酸性)場合が最も多い原因です。pH5.5以下になると鉄やマンガンの吸収が阻害され、葉が黄化します。pH計で測り、6.0を下回っていたら苦土石灰で調整してください。次の播種から対応になりますが、現在育てている株には草木灰を少量表面に撒くと緩和されることがあります。
小松菜とほうれん草を同じプランターで育てることはできますか?
同じ播種時期・収穫時期なので混植は可能ですが、pH要求が異なるため別々に育てる方が両方の収穫量が安定します。特にほうれん草は酸性に弱いため、小松菜と同じ調整では不十分な場合があります。プランターを分ける方が確実です。
苦土石灰の代わりに消石灰や有機石灰を使えますか?
消石灰は効果が速く出ますが強アルカリで過多になるとかえって害があります。有機石灰(カキ殻石灰)は緩効性で初心者に扱いやすい面がありますが、効果が出るまで時間がかかります。苦土石灰はその中間でプランター向きです。どれを使うにしても播種2週間前に投入するルールは変わりません。

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